リレーアタックなど高度化する車両盗難!発生件数は減少傾向にあるが人気モデルは要注意
警視庁によると、自動車盗難の認知件数(公的に認知された発生件数)は、2003年の6万4223件をピークに以降減少傾向にある。2017年は、1万213件とピーク時の6分の1以下にまで減少。この傾向は2019年まで続いているが、その内容には変化があった。
自動車盗難件数が減ったこともあり、盗難の検挙件数については1万4898件だった2005年以降、減少傾向にあるが、2017年の検挙率については52.5%と半数を超えているのだ。
自動車盗難の発生場所については、「自宅駐車場」が最も多く、2017年は全体の44.6%と、4割以上が自宅の屋外駐車場て盗難被害となっている。自動車盗難に占める「キーなし」の比率は、2003年以降70%台で推移しており、2017年は全体の74.5%と、4台に3台がキーなしの状態で被害に遭っている。ちなみに「キーあり」とは、エンジンキーが、車内やその周辺に放置状態だったことを意味している。
自動車盗難の新たな手口として、「リレーアタック」による被害も増えている。報道機関等で報じられているとおり、スマートキーから発信される微弱な電波を傍受してクルマの解錠からエンジン始動(イモビライザーの解除)をして盗難する方法だ。逮捕した窃盗犯から押収した「リレーアタック」に使用される機器でレクサスの解錠、エンジン始動の検証をした結果、いずれも可能であることが確認されたそうだ。
盗難されている車名別件数で多いのは、レクサス(レクサス全車)、トヨタのプリウス、ハイエース(レジアス、グランビア含む)、ランドクルーザー(プラド含む)、クラウン(マジェスタ、エステート含む)、日産ではスカイライン(GT-R含む)となっている。
また車両の部品が盗難被害に遭う「部品ねらい」に関しては、かつてカーナビが上位だったが、セキュリティーコード機能を搭載した製品の普及や、盗難防止ネジの活用も進んでいるため、最近はバンパーやドアミラーなど、高額で売れる外装部品にシフトしている。もちろん、車内に置いてあるスポーツ用品、バッグ類などもターゲットとなっているのは変わらない。
しかし、認知件数は2007年以降、減少傾向にある一方で、ナンバープレートの被害の割合は近年増加傾向。部品ねらいで占める割合は2017年は44.9%。盗難されたナンバープレートは、他の犯罪に悪用されるケースが多く、警察庁では、防盗性が高い「盗難防止ネジ」の普及促進を推奨している。
さて気になる盗難発生件数の多いエリアだが、損害保険協会による車両保険金支払件数のデータでは、2018年に車両本体で最も多かったのは大阪府。3年連続のワースト1位で、自動車盗難の全体の約3割が大阪府で起きているという。続いて2位は茨城県。3位は愛知県。この上位3府県の合計盗難件数だけで全体の約7割を占める。ただし、車両保険を契約してない車両盗難されたクルマを含めると、この順位が変動する可能性もあるだろう。
これらのエリアで共通点がある。それは国際的な貿易拠点となる大きな港があることだ。つまり、盗難したクルマをすぐに船で運び出せる利便性があるからだ。あくまでも確率の問題ではあるが、これらの地域に住んでいるレクサスを筆頭にする盗難件数の多い車種のオーナーは、防犯意識を高く持つ必要があるだろう。
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