対策かいくぐり盗難被害 クレーン車や高所作業車(中日新聞)
働く車も標的に-。クレーン車や高所作業車といった車両が盗まれる被害が十八~二十二日に県内で連続発生した。いずれの現場も防犯対策を施していたが、犯人はそれらをかいくぐって盗み出し、運転して逃げたとみられる。今後、被害が相次ぐ恐れもあるとして、県警は複数の対策を呼び掛けている。
「こんな車両も狙われるとは。盗む気があれば何でも盗めてしまうのか」。被害に遭った東海市の建設会社の男性社長(63)は、取材に困惑の表情を浮かべた。
二十三日朝、社長が会社へ出勤した際に敷地内から四トンクレーン車がなくなっているのに気付いた。防犯対策として敷地の出入り口をふさぐ形で、ダンプカーを駐車していたが、このダンプカーはエンジンを始動させる部分が壊され、移動してあった。さらに出入り口の門扉の南京錠まで壊されており、犯人は二重の対策を破って盗み出したとみられる。
会社に設置された防犯カメラは二十二日深夜から二十三日未明、二人組の男がダンプカーを敷地内で動かしている様子を捉えていた。社長によると、ダンプの方が高額だといい、犯人グループはあらかじめクレーン車に狙いを定めて盗んだ可能性もある。
十八~二十日には名古屋市緑区の機材レンタル会社でも、敷地内に止めてあった高所作業車が盗まれた。門扉にワイヤ錠を付けていたが、窃盗犯は切断して盗み出していたという。
なぜ、こうした特殊な車が盗まれたのか。捜査関係者によると、海外で需要があり、輸出されている可能性がある。「盗難車は発見されないケースが多い。ヤード(自動車解体場)に持ち込んで解体し、輸出しているのではないか」と指摘する。被害に遭わないために複数の車両で保管場所の出入り口をふさぐだけでなく、ハンドルロックを付けたり、キーは金庫などで保管したりと多数の対策を施すよう呼び掛けている。
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