大型連休中 多額の現金や高級乗用車の窃盗相次ぐ 名古屋
今月上旬にかけての大型連休中に、名古屋市では留守の家から多額の現金や外国製の高級乗用車が盗まれる被害が相次いでいたことが、捜査関係者への取材で分かりました。警察は窃盗グループによる計画的な犯行とみて捜査しています。
捜査関係者によりますと、大型連休中の先月28日、名古屋市中村区の住宅の駐車場から3000万円以上するイタリアの高級乗用車、ランボルギーニが盗まれました。
住宅は留守だったということで、警察は何者かが掃き出し窓のガラスを割って侵入し、室内にあった車の鍵を持ち出して盗んだとみています。
緑区でも今月3日、同じく留守の住宅で、窓の格子がはずされて現金500万円のほか、およそ1000万円分のドル紙幣が盗まれたということです。
このほか愛知県内では、今月4日にも日進市で美容整形外科「高須クリニック」の院長の別宅から時価総額3400万円余りの金塊7キロなどが盗まれたことが明らかになっています。
警察は、いずれも大型連休中に留守の住宅などが狙われていることから、窃盗グループによる計画的な犯行とみて捜査しています。
組織的に犯行に及ぶケースが目立つ
警察によりますと、愛知県では住宅などを狙った「侵入盗」の被害が、おととしまで11年続けて全国最悪で、去年も全国で2番目に多くなりました。
特に最近は、高額の現金や貴金属などを狙って、数人のグループで組織的に犯行に及ぶケースが目立つということです。
こうしたグループは夜間、目立たないように黒ずくめの格好をしていたり、「実行犯」「運転手」「見張り」など、役割分担を決めて犯行に及ぶなどの特徴があります。
また、手口が荒っぽくバールで玄関の鍵を壊したり窓を割ったりして侵入し、短時間に犯行を終えているとみられ、高須院長の別宅で起きた事件でも複数の人物が玄関のドアをこじあけてわずか数分ほどで犯行を終えていることが分かっています。
専門家「情報を分析 絞り込み犯行」
犯罪予防を専門とする「ステップ総合研究所」の清永奈穂所長は最近の窃盗被害の傾向について「どの家にどれくらいの金額のものがあるか、どの時間帯なら留守にしているかという情報を分析して、確実に盗める場所を絞り込み犯行に及んでいる」と分析しています。
そのうえで、「地域や職業ごとの名簿のようなものの売買を繰り返して情報の精度を高めているのではないか。いわば、犯罪のためのビッグデータを入手することで、確実性の高い犯行が可能になり、手っとり早く高額の金品をせしめようとする点でアポ電強盗や特殊詐欺と通じるものがある」と指摘しています。
そして、「犯人グループは、『誰々が車を買った』などのうわさ話を確実にキャッチして、ビッグデータと組み合わせて犯行に及んでいる可能性もあるので、個人情報をSNSに載せることは避けなければいけない。もはや、侵入された場合を想定して、高額の現金などはなるべく家に置かないようにすべきだ」と話しています。
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