衝撃事件の核心】盗難車を堂々の正規輸出、巧妙な手口(産経新聞)
「レクサスLX」やトヨタ「ランドクルーザー」などの国産高級車を狙い、関西を中心に窃盗を繰り返していた窃盗グループが大阪府警捜査3課に摘発された。盗んだ車を海外で売りさばく際、格安の中古車をダミーに使って税関を通過し、出港直前に盗難車と積み替えるという前代未聞の手口が判明。盗難車は正規輸入の日本車として扱われていた。住宅街などで盗まれ、海外に運び出された盗難車は200台以上にのぼるという。
ターゲットは高級車
「ハコ屋を紹介してほしい」。主犯格の自動車販売会社社長でパキスタン籍、チーマ・アティーク容疑者(55)が旧知の仲だった堤修一容疑者(51)に持ちかけたのは平成28年6月のことだった。
「ハコ屋」とは、自動車専門の窃盗犯を指す。チーマ容疑者の言葉をきっかけに、川崎倫正容疑者(56)らの窃盗グループが構成された。
ターゲットとしたのは、国産の高級車、「レクサスLX」とトヨタ「ランドクルーザー」。海外でも人気が高く、チーマ容疑者は後の調べに「人気でよく売れた」と供述。住宅街などで物色を重ね、事前にターゲットを絞ってから犯行に及んでいた。
グループは電動ドリルやドライバーで運転席をこじ開け、特殊なコンピューターを使ってエンジンを起動。保管場所を定期的に移動させながら、茨城県まで持ち込んだ。
思わぬ「抜け穴」
グループは横浜港から正規の貨物船に積み込んで輸出していた。盗難車は本来、車体番号などをチェックされるため、輸出は不可能。それをどのようにくぐり抜けたのか。財務省関税局によると、多くの場合、通関手続き後、コンテナは港近くの「保税地域」で保管され、業者が手を加えることは難しい。
盗難を防ぐため、コンテナには番号が振られており、輸出時にはこの番号で別のコンテナとすり替わっていないか確認する。ただ、実際は輸出するコンテナの数は膨大で、不審だとの情報などが寄せられない限り中身の確認は行わないという。
一方、通関手続きを受けた地域と離れた港から輸出したり、通関後の貨物をコンテナの修繕などのために民間が管理する「ヤード」に一時的に運び込んだりすることも仕組み上は可能だ。その場合、輸出業者がトラックなどを手配して貨物を港まで運ぶ。
ここに「抜け穴」があった。チーマ容疑者らは、格安の中古車をダミーとして用意した上で正規の手続きを行い、税関を通過。その後、横浜市内の民間のヤードに運び込んだ。管理会社によると、このヤードは業者が所定の費用を払えば出入りでき、中身をすりかえていた。
通関後にコンテナの中身を積み替える不正輸出事件は前例がないといい、同局は対応策を検討するとしている。
自動車盗の手口は巧妙化の一途をたどる。スマートキーの車に標準装備される「イモビライザー」を無力化する「イモビカッター」を使った手口の自動車盗も全国で相次ぐ。今回の事件でも、グループは自動車盗常習犯の間で使われる特殊な装置を使い、いとも簡単にエンジンを起動し、キーまで複製していた。
日本車は海外でも人気が高く、今回の盗難車の多くも、輸出先で売りさばかれていた。グループの1人で輸出の手続きを担った会社役員、伊丹彰一容疑者(49)が関与した自動車の輸出は、平成29年1~9月までの間で250台を超え、大阪府警はこのうち、少なくとも202台が盗難車だったとみている。
輸出先はパキスタン、イラン、アラブ首長国連邦など中東やアフリカが中心で、被害総額は実に約17億円にのぼる。ある捜査関係者は「自動車盗の手口はどんどん巧妙になっている。自動車の仕様だけに頼らず、防犯対策をとることが必要だ」と指摘している。(産経新聞)
2018年1月〜11月まで自動車盗難情報局にご登録いただきました自動車盗難件数は260台強です。
その中での発見率は約15%。
発見された車の多くは軽自動車や一般乗用車などが多く、スポーツカーや高級SUVやRVなどは
著しく発見率は下がります。
今回の手口は「思わぬ抜け穴」との事で今後対策をしていただけると思いますが、
また新たな手口が出てくるのでしょう。
「自動車盗難の撲滅」は私共、自動車盗難情報局だけでは到底無理です。
そうなると「お車をいかに守るか?」が重要になるかと思います。
上の記事にも有るように「自動車の仕様に頼らずに盗難対策をとることが必要」には大いに頷けます。
こちらの盗難情報に頻繁に上がるようなお車を所有されている方はしっかりした盗難対策、
自動車盗難情報局ではしっかりしたカーセキュリティをお勧めいたします。
お車を無くしてから「後悔」されている方が非常に多いです。
そう言ったご相談が多く胸が痛いです。
被害に遭われて悲しむ方が減るように皆さんでも「こう言った情報の発信」をお願いします。
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