高級車窃盗団50人を率いた女ボス 3度服役も今は1児の母で「心から悔いてます」(デイリー新潮編集部)
「男でも女でも、裏社会で生きてるもんで、この女の名前知らん奴はモグリやな」――そう語られる亜弓さん(仮名)。
中1で不良デビュー、教師を蹴り倒して高校を退学後は女アウトローを地で行く破天荒な生活。
覚せい剤常習のぶっ飛んだ日々の中、目指したのは自動車窃盗のプロだった。
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当時、つき合っていた彼のシノギがクルマだったのだが、「(自動車窃盗は)まあ、女では無理やわ」と言われてカチンときた亜弓さん。
もともと負けず嫌いな彼女の闘争心に火がつき、寝食を忘れて「技」を磨き、腕を上げた結果、25歳になる頃には50人以上の男たちを率いるまでにのし上がる。
「車の窃盗で、せっかちに車体に傷をつけるようなことをするのは、アマチュアです。いかにキレイに車を盗むか、素早く犯行を行うかというスキルが問われます」
実際の手口は『組長の妻、はじめます。 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録』(廣末登・著)に詳しいが、華麗な仕事ぶりから、その筋でクルマの第一人者と呼ばれるまでになり、亜弓さんにかかれば盗めない自動車はないと言われた。
ただ、鍵が構造的に複雑な外国車に関しては、強硬手段に出る。
「まず『乗り逃げ』です。これ、狙った車を停めて、『すいません、ケガして血が止まらないのですが、ドラッグストアまで乗せてくれませんか』とお願いします。すると、親切なドライバーは(まあ、100%親切な方でした)、近くのドラッグストアまで乗せて行ってくれます。そこで、『血止めと絆創膏をお願いします』と言いますと、買いに行ってくれますから、その隙に車を奪います」
また、持ち主の不注意が災いする場合もある。
「つぎに『ハザードダッシュ』です。これは、よくコンビニの前とかにハザードを点けて、エンジンを切らずに停車してる車を、そのまま頂戴する方法です。一度、スタートしたところ、後部座席に赤ちゃんが乗っていたので、かなり焦ったことがあります。その時は、ただ車を少し移動させただけにとどまり、ハザードを点灯したまま急いで退散しました」
こうして入手した盗難車を様々に加工し、「必要とする人」に売ることで稼ぎが出る。 自分用にもお気に入りの日産シーマを手に入れるが、足がつかないように汚れてくると「処分」して、次のシーマに狙いを定めていたという。
いずれにしても、盗まれた方にしては怒り心頭に違いない。
当然、悪事には天罰が下るもので……。
27歳のとき、アジトの駐車場に出向いたところで逮捕された。
「ツレのひとりが『姐さん、悪い予感がしますね。こら、そこらでヒネ(警察官)が張ってまっせ』と言います」
「車に近づき、ドアに手をかけた刹那、出てくるわ、出てくるわ、そこいら中の物陰から警官がバタバタと走ってきました。
『何やの、あんたら』と抗議したものの、紺ずくめの服装をした、必死パッチ(ものすごく必死)の怖い顔をした警官たちは、私ともみ合い、終いには私を抱えて、裏手に停めてあった警察車両に引きずり込みました」
裁判の結果、自動車76台の窃盗罪で懲役2年8カ月の判決に、覚せい剤使用で初犯の際の執行猶予取り消し、いわゆる「弁当」の1年2カ月を合わせて懲役3年10カ月の実刑が確定した。
出所後、実はクルマ稼業に復帰してしまうのだが(最終的に合計3回服役した)、紆余曲折あって現在、1児の母となり、すっかり足を洗った亜弓さんは、若い頃の過ちを心から悔いている。
警視庁の統計によると2016年の自動車盗難認知件数は減少してきているものの11,655件。うち8,530件は施錠していたのに盗まれた。
今も自動車窃盗団は暗躍していると考えられ、多国籍でグローバル化しているともいわれている。
しかし、さすがに女ボスはいないだろうが……。
(デイリー新潮編集部)
興味のある記事を見付けましたので掲載しておきます。
・「車を壊さず綺麗に盗む」なんて余裕まで有るようです。
・外車のほうがセキュリティレベルは高いですが、色々な盗難方法が有りますので注意ですね。
・盗難車であっても必要とする人に売ることが出来てしまう。需要が有るのですね…
・自動車76台盗んでも懲役2年8ヶ月…長いとは言えませんね。「出所後復帰してしまう」でしょうね。
・盗まれなくする対策しか無いと実感できた記事でした。
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